朝起きの重たさは、疲れだけが原因では無いことを、みんなコッソリ感じながらも敢えて口には出しません。いつものブラッドリー商店がまだ開いてないので、別の商店でコーヒーと朝食代わりを買い込み、先日のイブニングで感じたサカナの気配を頼りに、本日はミリオネアのモーニングから始めます。
シーンと静まり返った朝のさわやかな川面。周りの森も木もハオハオ好です。
釣り師でなければ、満点の清々しさを感じることでしょう。
されど釣り師。・・・探し物があるのです。・・・魅惑的なライズ!
ミリオネアでは気持ちの良い静寂さを頂いて、まだまだ迷い道に突入です。
向かった先は、フォールズリバー。
ホントにもう呆れるくらい、ちょっと足をのばせばすばらしい川が沢山あるものです。
アイランドパークから一時間ちょっとの南下で、フォールズリバーに到着。文句無しの水質でしばらく釣り上がる。小ぶりのレインボーが結構顔を出してくれる。助市氏に出た一尾は、ズビューンと突っ走りティペットブレイクをやってくれたらしい。
入ったポイントは、浅場・砂利場が多い感じがしたので、少し上流に行ってみるが、今度は川辺川本流並みの水勢で、「よか川ばってんかねー、つかみどころがねー」ということで、やっぱり気になるヘンリーズフォークへ戻ることに。
(この帰り道中、この旅一番の寡黙な車内。カーラジオを鳴らすのも忘れ、三人とも殆ど無言・・・)
ブラッドリー商店で、カップヌードゥルをそれぞれ2個づつ選んで、お立ち台横の木陰で昼食。・・・どんな味だったかも忘れたけど、とにかく薄すぎる味だった。
「どこ行きますか?・・・」
「パインへヴンへとりあえず行きたいのですけど・・・」と小生。
右手にパイニーを望む丘の上から、Mキーがライズ発見。車を降りて改めて見てみると、対岸右岸筋に何発かの良いライズが見えます。早速、車を降りて川へ駆け下ります。・・狙ったライズは意外にも少々小ぶり。けど、気分は上向きです。左岸沿いをパイニーに歩きます。途中の小さいワンドに、その執心さがこちらまで伝わってくるほど、熱心に目の前のライズに向かっている一人の釣り師。バンク際から腰をかがめて繰り返しダウンで送り込んでいます。・・・相手のサカナも良いリズムでライズ。・・・流し方がうまいなーと感心して見ていると、やっぱり食いました。その瞬間意外に大男だったその釣り師は立ち上がり、ビューンと突っ走ったサカナと戦闘。・・・こちらも何だか嬉しくなってくる。・・・軽く20インチは超えていたと思う。
先に行ったはずの助市氏は、もうウッドロードの方に引き返し歩いている。当初の目的地のウッドロードに向け、小生も帰り歩いた。そしてこの後、目の前にすばらしい光景が待っていました。
先に着いていた助市氏に水をもらおうと近づくと、助市氏の視線の先は・・・ものすごい活気。バンクから7~10メートルの筋、長さにして40~50メートルのスポットに、重そうな波紋とその大きさを誇示する尾鰭の浮き沈み。イルカ集団のドルフィンのように、次から次と尾鰭が浮き出ては沈んでいく。・・・はじめて見る素晴らしい光景だけど、意外に身体は速攻反応していました。
結んでいたドライフライをぶちっと外して、絶対確信のフェザントテイルを結んで、逆光で水面下は見えないので小さいインディケーターをぱっと付けて、「助市さん、攻めてよかですか?」と言うか言わずかで、目の前の尾鰭の沈んだ先にキャスト。・・・インディケーターの近くで水面が揺れた気がしたのであわせてみると、ズンッ!とのってすぐ外れた。・・・ライン回収してフライをチェックして再度尾鰭にキャストした直後、Mキーが「Makiさん、たばこ下さい」と横に立っている。インディケーター周りに視線を付けたまま、カンガルーポケットからタバコを取り出した瞬間、スポンとインディケーターが消えた。右手で合わせて、左手でMキーにタバコを渡しながら「よし!いったー!」と気合が入る。・・・
そのあとは、ひたすら強く・重く・速くやられて、興奮と不安と緊張と歓喜と・・・よく憶えていないが・・・ホントに嬉しかった。
口を出さず、尾鰭だけを見せるライズ。 その殆どが20インチを超えているサカナ達の集団。ホントにすごい光景でした。
この夜は、宿にMこちゃんも到着して、明日朝からの確信を再認した。
身体から重たい何かが抜けて、ビールに即効酔い、ベッドに溶けていった夜。
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