2006-12-11

USA:Tour2005年9月 八日目   


パインへブン

 このツアーで最も印象的な場所になり、鬱々な気分を昇華させる時間を経験させてくれた特別なポイント。僕の中では。・・・ここで感じた一喜一憂の全てを「アメリカに釣りに来る目的」に出来ると確信できる(決して大げさではなく)。克服したい課題に向かうことは、大きい楽しみを伴うはずだし、これからも暫くはずーっと、ここに立ちたくなるのは間違いない。


 少しの諦めとも焦りともつかない憂いに包まれながらも、冷たいビールに気を持ち直して、悪路を走らせ着いた昨夕のパインへヴン。すでに銀色グレイに夕刻の光が始まっており、淡々とした気分で流れに入った。マッチャンはここHFでの釣りを何度か経験している手練で、「下流の方で、バンク際を攻めてくるけん」と言って歩いて行った。

 川の左岸から流芯に向かって三分の一ほどのところまで進み、あたりの筋を見てみる。明らかに小ぶりのマスのライズが散発的に起こっている。近くの水面にはPMD・アント・マホガニーが流れている。川の銀反射に少しのオレンジ色・ピンク色が混じり始めた頃、・・・流芯の向こう際に黒金色の頭が見えて尻尾がそれに引かれるように続いた。音も立てず。・・・何度目かのトライでその無音のライズにフライが吸い込まれた。

 悔しい、ホントに悔しかった。流れ藻の塊に何度も突っ込まれて、結局一尾も手に出来なかった。ヴェストは完全に浸水してギリッギリに届いたライズ。真っ暗になるまでライズに向かい続けたのはこのツアーでも初めてのこと。・・・少し宗教的な感覚さえ覚えるほど一心にライズに向かっていたら、良く分からない幸福感にチョットだけの涙がこぼれてきました。

 マッチャンはいつの間にか横に立っていて、バンク際の大物にブレイクされた云々をそれはそれは悔しそうに話しながら、一緒に目の前のライズに向かった。

 この夜、ステーキ・ビール・ワイン・ウイスキー・・・etcに、二人爛れに爛れました。


さて今日が最後(と二人思っている)でお昼過ぎにはボーズマンへ移動を予定している二人は、あの方この人にご挨拶を済ませ、結果に拘らずパインへヴンへ。

 ホントにかわいい結果でした。
今日も「下流バンク際」を攻めたマッチャンはさばさばした顔で、「もうよかバイ、納得したバイ、今日も3尾切られたばってん、こんコツはこん次の課題バイ!」。




 もう何度やったかわからないパッキングを済ませて、のんびりギャラティンを眺めたり、ブルーリボンフライズで買い物したりしながら、終わった釣りの淋しさを紛らわせてボーズマンに走る。交代で運転するも二人とも眠気がさしてきて、しばし道路脇で爆睡休憩。

 着いたボーズマンでは、ちょうどドッグショー開催中で、飛び込みで入った数件のモーテルは満室。どうにか落ち着いた宿はホリディ・インでした。「今夜は最後だけん飲むバイ・・・(毎日飲み爛れたけど)。」

 クリーミーギネスのビールで乾杯して。
ステーキレストラン出た後も、部屋飲み用のペールエールも調達して。明日は飛行機の中だという思い込みは・・・ここまできても気付かない二人だった。

1 件のコメント:

  1. とにかく釣りに行きたいですねー。

    川にたって、ライズを狙って、フライを送り込みたいです。

    黒川もそろそろ良いのでしょうか?

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